アトピー性皮膚炎で加療中の2才の児がお母様と受診しました。治療で発疹はすべて消失し、ステロイド外用剤は終了し、スキンケアー目的で保湿剤を1日2回塗している状態でした。

お母様「少し湿疹が出てきました。」
先生「それでは診察します。少しかき傷があり胸に鳥肌様の小さいブチブチがたくさんありますね。のどが少し赤いですね。この発疹は猩紅熱の軽い発疹に似ています。のどに溶連菌がいないか調べますね。」
咽頭ぬぐい液をとり溶連菌抗原迅速試験を行いました。溶連菌陽性でした。
先生「検査の結果、のどに溶連菌がいました。この溶連菌が発赤毒を出しています。その毒が体にまわって皮膚にかゆい発疹を出しています。溶連菌を退治する薬を飲みましょうね。そうすれば発疹も消えます。塗り薬は必要ありません。」
その後、溶連菌の薬を飲みきった頃には発疹は消えていました。　

　猩紅熱は熱が出て、のどが痛くなり、そして、赤い発疹がでるのが一般的です。しかし、熱がなく、のどの痛みもなく、かゆい発疹だけがでることがあります。湿疹は原因を探すことが大切です。