６月、梅雨に入ったときアトピー性皮膚炎で受診中の小学生が「昨日の夜から急にひどい湿疹ができました。」と受診されました。右腕、右肩、右胸、右背中に赤いブツブツがたくさんできています。とてもかゆそうです。昨日は桜の木のある東公園で遊んだそうです。発疹は右に多く、赤いきれいな発疹です。
先生「毛虫皮膚炎ですね。」
お母様「この子は毛虫とかさわってないと言っています。」
先生「東公園にはたくさんの桜の木があります。桜の木にチャドクガの幼虫、すなわち、毛虫がたくさんいます。人が桜の木の毛虫に近づくと、毛虫は危険を感じて、毛虫の毛針攻撃をしかけてきます。ちょうど、ゲゲゲの鬼太郎の髪の毛針攻撃の様に。毛針が風に乗って飛んできます。そして毛針がシャツに刺さります。その後シャツに刺さった毛針がちくちくと皮膚をさします。毛針の毒が皮膚に入り、とてもかゆい赤いブツブツができます。」
お母様「そうなんですか。桜の木には近づかない方がよいですね。」
先生「毛虫は６月と９月に繁殖します。この時期は近づかない方がよいですね。桜の木は春に桜吹雪、６月・９月は毛虫吹雪です。毛虫皮膚炎は痒みが強く、すぐには治りません。強いステロイドをしばらく塗り続ける必要があります。」
アトピー性皮膚炎では赤いブツブツが左右対称にでますが、毛虫皮膚炎は左右どちらか一方にかたよってでます。また、毛虫皮膚炎は６月と９月頃にでます。