失神とは、急に意識がなくなり、すぐに意識が回復することです。脳に運ばれる血液が急に止まります。脳に酸素が運ばれなくなり意識がなくなりたおれます。その後、血液の流れがすぐに改善して意識が戻ります。
　原因の多くは、神経調節性失神です。神経調節性失神は、長い間立っているとき、顔面が蒼白となって倒れます。痛みや恐怖で起こることもあります。
　しかし、危険な病気の症状としての失神もあります。
　心臓の病気が原因の失神です。QT延長症候群・Brugada症候群・大動脈弁狭窄症・肥大型閉塞性心筋症です。これらの病気は放置すると突然死の危険性があります。
　心臓の病気以外に注意すべき疾患に、子宮外妊娠破裂があります。子宮外妊娠が破裂すると大量に出血します。すると、循環血液量が急に低下して失神を起こすことがあります。妊娠可能な年齢の女性の場合は、妊娠を除外する必要があります。その他、胃十二指腸潰瘍など持続する消化管からの出血で循環血液量が減少し失神を起こすことがあります。
　心臓の病気がないかチェックするためには、心電図・心エコー・胸部単純写真の検査。血液が知らない間に失われていないか、血液の濃さ（ヘモグロビン）の検査。その他、血糖と電解質（Na・K・Cl）の検査をすることがあります。
　なお、次の項目に当てはまる場合は特に注意が必要です。
家族に突然死した方がいる
心臓病の既往がある
失神前に胸のどきどきや痛みがあった
座っていた時、あるいは、横になっていた時に失神が起こった