皮膚の炎症をおさえる薬として、ステロイド軟膏・プロトピック軟膏に続いて登場したのが、コレクチム軟膏です。
ステロイドは、皮膚の炎症を抑える作用だけでなく、他にもいろいろな作用を持っています。「ステロイド外用剤の塗り方」に記載していますように、他のいろいろな作用が副作用となることがあります。プロトピック軟膏はピンポイントにヘルパーT細胞の働きをおさえます。これに対して、コレクチム軟膏はT細胞、B細胞、マスト細胞および単球と多くの免疫の細胞の働きをおさえます。

この３つの薬は分子量（薬の粒の大きさ）が違います。
ステロイドは480前後（例えば、ベタメタゾン吉草酸エステル476.58、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル486.60）
プロトピック軟膏は822.03
コレクチム軟膏は310.35
コレクチム軟膏は分子量が小さいので皮膚の厚い部分でも良く吸収されます。

2020年1月より成人に、2021年6月から2才以上の小児に使用可能となりました。1日2回塗布。1回当たりの塗布量は５ｇまで。体表面積の３０％までです。基本的に成人は０．５％製剤を、小児は０．２５％製剤を使用します。
コレクチム軟膏使用により、皮疹の改善・かゆみの軽減が期待出来ます.
なお、コレクチム軟膏の添付文書が２０２３年１月に「低出生体重児，新生児及び6ヵ月未満の乳児を対象に，有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。」と改訂されました。　６ヶ月以上であれば使用を検討できます。
「コレクチム軟膏をお使いになる方へ」（鳥居薬品株式会社のページへリンク）