保湿剤の選び方

保湿剤は肌の状態・塗布する部位・季節・その方の好みに合わせて処方します。基本的に、朝はサッパリとした保湿剤をつけます。夜はシットリとした保湿剤をつけます。夏はサッパリとした保湿剤をつけます。冬はシットリとした保湿剤をつけます。

保湿剤の種類

１　プロペト・ワセリン　
皮膚の表面に皮脂膜を作ります。アレルゲンが皮膚に侵入しにくくなります。主に冬に使用します。夏に使用すると汗腺がつまり汗がたまりやすくなります。皮膚温が上がります。あせもや毛包炎が出来やすくなることもあります。

２　ヘパリン類似物質油性クリーム０．３％
冬・春・秋に使用します。ヘパリン類似物質が表皮角層に浸透し水分を保持し皮膚にうるおいを与えます。

３　ヘパリン類似物質外用泡状スプレー０．３％
泡状のスプレーです。塗りやすいです。

４　ヘパリン類似物質外用ローション０．３％
液体です。さっぱりしています。

５　ヘパリン類似物質外用スプレー０．３％
液体のスプレーです。さっぱりしています。

保湿剤は1日2回朝・晩入浴後

保湿剤は1日2回朝・晩入浴後、あるいは1日1回晩入浴後につけます。毎日つけることで効果が出てきます。毎日つけるためにはつける人の好みにあった保湿剤を選ぶことが重要です。大切なことはいかに毎日つけるかです。　

塗り方

「上手に塗る」「丁寧に塗る」ことよりも、「毎日塗ること」が大切と当院では考えています。いかに保湿剤を毎日塗ることを習慣化するかです。そのためには、保湿剤を塗ることが面倒なことにならないようにします。手間をかけずに、いかに簡単に早く塗るかを工夫します。まず、保湿剤をいつも脱衣場においておきます。保湿剤を取りに行く手間を省きます。すぐに取り出せるようにしておきます。お風呂に入る前に、脱衣場で下着の上に保湿剤をおいておきます。お風呂上がりに、まず、体をタオルでふきます。その後すぐに、保湿剤をつけます。塗布する皮膚の部位に保湿剤を直接のせます。両手のひら全体でさっと保湿剤を伸ばします。すり込みません。それで終了です。そして、下着をつけます。皮膚のべたべたが気になるときは、１分待ちます。それでも気になるときは２分待ちます。最後に、パジャマを着ます。

丁寧な塗り方

人差し指の先端から第一関節までチューブで保湿剤を絞り出します。これをOne finger tip unit (1FTU) とします。この１FTUの量で両手のひらの面積部位に塗布します。まず、保湿剤を塗る部位の面積が手のひら何枚分になるか見当をつけます。例えば、手のひら１０枚分の場合、5FTUの量が必要です。まず、1FTUの保湿剤を指先に出して、チョンチョンチョンと塗布する皮膚の部位にのせます。ひふのしわ（皮溝）にそってのばします。それを5回繰り返します。