ステロイド１に対して保湿剤１を混ぜるとステロイドの濃度が2分の１になり、ステロイドがゆるくなり副作用が出にくくなるような感じがします。しかし、実際は混ぜ合わせるものによって、ステロイドの皮膚の透過性が亢進して作用が逆に強くなったりすることもあります。また、ステロイドの作用が消えてしまうこともあります。また、希釈しても効果が変わらないこともあります。混合による効果は予想が難しいです。

ステロイド外用剤にステロイドがたっぷり入っているような感じがするかもしれませんが、ステロイド外用剤のほとんどが保湿剤の成分です。ステロイドの成分はほんの少ししか入っていません。例えば、リンデロンV軟膏のステロイドの成分は０．１２％です。残りの９９．８８%は保湿剤の成分のワセリンや流動パラフィンです。約１０００の保湿剤の成分の中に１だけステロイドが入った状態です。それが分かると、わざわざ保湿剤の成分を追加で混ぜることもないように思われます。

保湿剤は広範囲に塗布することが必要です。ステロイド外用剤は炎症のある部位のみに塗布することが多いです。ゆえに、保湿剤をまず全体的に塗布します。その後、炎症のある部位のみにステロイド外用剤を上塗りします。

安易にステロイド外用剤と保湿剤は混合しないようが良いようです。